スマートフォンを見ながら考え込む女性

人の気持ちを考えすぎて
疲れるときに。
背負わないための3つの考え方

相手の表情や返信が気になって、頭から離れない夜に。事実と解釈を分け、自分の領域へ戻るための読みもの。

YURARI ・ 読了目安 7分

上司の顔が少し曇った。

「さっきの発言、まずかったかな」。そう思ったら、もう頭の中から離れない。

チャットの返信が来ない。「怒らせたかも」。既読がつかない。「嫌われたかも」。会議が終わっても、帰り道でも、お風呂の中でも、ずっと考えてしまう。

もっと気にしない人になれたら楽なのかな。もしかして病気なのかな。そう思ったことが何度もある。でも違った。

窓辺で静かに過ごす女性

それは、感度が高いからかもしれない

周囲の変化を細かく受け取りやすい人がいる。表情、声のトーン、場の空気。ほかの人なら通り過ぎる小さな違いにも気づいてしまう。

心理学では、こうした傾向を「感覚処理感受性(SPS)」という考え方で研究している。HSPは病名ではなく、人によって感受性の程度が違うという考え方だ。

自分を責めなくていい。周囲の変化を、人より少し細かく受け取っているだけなのかもしれない。

なぜ、こんなに疲れるのか

相手の小さな変化に気づけることは、人間関係を豊かにする力でもある。でも、その力が休みなく動き続けると疲れてしまう。

上司の機嫌、同僚の表情、LINEの返信、会議中の空気。意識していなくても受け取り、脳がずっと処理している。誰かの感情を何十個も抱えていたのかもしれない。

返信を待つスマートフォンとノート

「怒ってる」は、本当に相手の気持ち?

「起きたこと」と「自分の解釈」を、知らないうちにくっつけてしまうことがある。

起きたこと返信が来ていない
私の解釈怒っているかも

想像が当たっていることもある。でも、確かめていないうちは、まだ答えではない。

今の考えは、どっち?

事実と解釈を分けるだけでも、頭の中の反省会は少し静かになる。

正確に読もうとすることも、疲れを大きくする

人の気持ちは本人にしかわからない。どれだけ考えても100%正解することはできない。それなのに答えを出そうとし続ける。

この「答えの出ない問いを考え続けること」も、疲れを大きくする理由のひとつだ。「わからない」でいい。「確かめるまではわからない」でいい。

カフェで話す二人の女性

「気づく」と「なんとかする」は、別のこと

上司が不機嫌だから明るく振る舞う。同僚が疲れているから仕事を引き受ける。「気づいた」が、自動的に「行動する義務」へ変わってしまう。

でも相手の不機嫌には、相手の事情がある。感じ取る力は持っていていい。でも、全部引き受ける義務は最初からなかった。

自分と相手の間に、うすい膜を一枚

バウンダリーは、自分と他者の間にある心の境界線。壁を作ることでも拒絶することでもない。ただ「ここからは相手の領域」と知ること。

全部遮断しなくていい。少しだけ距離を置く。

これは私の仕事? それとも相手の領域?

今日から試せる、小さな3つのこと

全部やらなくていい。今日できそうなものをひとつだけ。

1

事実と解釈を分ける

これは相手が言ったこと? それとも私の想像?

2

気づいても、すぐ動かない

これは私がやるべきことか? やらなくていいことは、やらなくていい。

3

受け取ったものを置いていく

帰宅前に深呼吸して「今日受け取ったものは、ここに置いていく」と言う。

玄関で一日を終える女性

考えすぎた日の、夜のこと

今日も色々と考えすぎてしまった。そういう夜は、自分を責めなくていい。

感じ取る力は弱さじゃない。ただ、その力を自分のために使う練習が、まだ途中なだけ。

感じ取ったものは全部本当じゃないかもしれない。全部引き受けなくていい。あなたには、自分の領域がある。

参考資料

※心理学の考え方を日常の言葉に置き換えた読みものです。強い不安で生活に支障がある場合は、専門家にご相談ください。